出会い
日本はお盆真っ盛り、夏休みシーズンなのだろうか…海、旅行、海、旅行、バーベキュー、川、旅行。私の夏はいつも忙しかった。
こちらもバカンスシーズンで学校などは長期休みで9月から新年度を迎える。医療機関はなかなか教育機関のように長期でのバカンスはとれないものの、みな順番に少しずつ休みをとっているよう。しばらくみないな~と思っていると、いい色に日焼けしてすっきりした顔でバカンスから帰ってくる。
私は自分の活動がまだ始められてもいないし、情報収集も不十分なので休んでいるわけにもいかず、時期をずらして休暇をとるつもりである。
遊びに来たわけでもないし旅行しに来たわけでもない。自分のための仕事をするために来たわけでもない。モロッコの人のために少しでも貢献すること。ここに居られるのは、本当に運よく縁があってこれただけである。だから、休暇はストレス発散してリフレッシュするためであり、またモロッコへの知識や見聞を深めることで、それが結果として活動にフィードバックするようにしたい。
たまたま、モロッコに以前専門家として派遣されていた方がモロッコに帰ってきて、話を伺うことができた。色々なことを伺い大変勉強になった。
一番よかったことは、「何もできなかったとしても、任地の人と良い関係で終われるだけでも十分活動だと思います」と言ってくださり、大事なことを忘れていたことに気づいた。
日本の病院にいたときはもちろん、プロだった。
今もボランティアで給料をもらっていなかったとしても自分自身は同じプロである。
JICAでボランティアとは…協力隊とは…国際協力とは…と耳がタコになるほど聞いてきた。
でもここにいると、専門職のプロとしてやることは見えてくる。それでも彼らの行動の裏付けられる習慣や思想もみえて人の行動がそう簡単に変われないことも見えてくる。気になるところにアプローチをかけることが正しいのかもわからない。モロッコの悪いところやできていないところのすべてを変えることが正しいとも思わない。日本の正しいとされていることがすべて正しいとも思わない。ある人から見たらモロッコの悪いところだというかもしれないが、私にはモロッコのその部分がなくなってほしくないと思う部分もある。
結果的に現在の語学同様、活動についても頭の中はぐちゃぐちゃ。
できることはやるが、でも自分の考えが正しいのかもわからない。仕事でないから評価や判断を仰げない。
そんな迷走していた私は、今日、元専門家さんの話を聞いて、出国時に目標に立ち戻れた。
まずは、モロッコ人を好きになること。
その次は、モロッコ人と仲良くなること。
活動やら病院やら言っている場合ではなかった。
まずは、人として受け入れられ、ここで愛されること。
貴重な時間と出会いに感謝。
そして、お土産に専門家さんからは日本のお菓子と、事務所のスタッフから納豆をいただいた。
おかめ納豆だった。もらった瞬間に蓋をハフハフしてすごい勢いで匂いを嗅いで、「あ~納豆だ~‼」と納豆の匂いに癒されてしまった。そんな匂いに癒される自分がちょっと切なかった。スタッフとこんな匂いのする食べ物を喜んで食べる日本人って不思議ですよねと話していた。
続く。