530日

帰国まで、あと530日あるそうです。

 

日本にいるときから日数を数えているのですが、数え始めは700日余りありました。気が付いたら500日台になったようにも感じます。それでも、確実に時間は過ぎていきます。

当初、モロッコに行ったら、フランス語の勉強は勿論、任国外旅行でスペインへ行けるため、スペイン語も一緒に勉強しようなどと考えていました。フランス語は、これから先にフランス語を使ってやりたいことがあったので、そのための事前訓練的な意味を込めての協力隊参加でもありました。また、もう一方で、在宅看護や小児障がい児の療育の世界も私にとってとても魅力的で、不器用な私は両方の道を選ぶことはできないからいつか自分で決めなくてはならないときがくるのだろうと思っていました。

でも、モロッコの小児病院で毎日赤ちゃんとお母さんたちとお話したり、退院後の外来で家族と再会したり…時間をかけてゆっくり関わるのが好きなんだとあらためて自分を理解する機会となった。そして、自分の道も見定まった。

 

ロッコ人はみんなフランス語や英語が話せる人でも基本的にはダリジャ(モロッコ方言アラビア語)を話している。それなのに、私だけフランス語を話すのは違和感がある。だから、病院の中や町の中でモロッコ人と関わるときは、極力ダリジャを使用して会話をしている。

 

あと530日、私はフランス語を捨てることにした。

捨てたらスッキリした。みな色々な背景や意図をもって協力隊に参加しているからそれぞれの考え方があるが、私はこの2年をモロッコの人たちのためだけに使いたい。そうやって過ごして日本に帰った後にどんな景色があるのか見てみたいだけ。

私はもともと語学がとても好きである。だから、ほっておいても、日本で英語の勉強をしていたし、モロッコ行きが決まってからはせっせとフランス語とアラビア語を少し勉強していた。自分の性格上、きっと日本に帰ってから、また英語とフランス語を勉強するのではないかと思う。と、記載して未来の自分を追い込んでおく…。

 

限りあるモロッコの時間を一人で勉強している時間に使うのは勿体ないという結論に至った。

 

ロッコの首都の大都会の中で、ここなりの方法で、精一杯、モロッコ人にまみれて過ごしてみようと思う。いつ帰っても後悔のないように。

 

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ここは旧市街横の墓地わきの丘の上。写真では伝わらないが、右側へ約270度くらい水平性があり、後ろにはびっしりと一面にお墓が広がる。なぜがここの景色はずっと私の心を惹きつけ続けている。そして、毎月ここに訪れ、モロッコで亡くなった子どものことを考えている。

 

続く。