ツマァ大発見

恐らく前任の方がいたから、日本人がモロッコ人よりも多い頻度でお米を食べるというのは、スタッフのうち数人から言われ知っている様子。

【日本=寿司】と思っているよう。

まあ、それは仕方ないと思う。

なぜなら、私の住む首都には寿司屋さんが今ぱっと思いつくだけでも近所に4店舗…

握りや巻きずしもあり結構おいしいが、日本人からすると邪道と感じる、巻きずしに衣がつけられてフライされていたり、カリフォルニアロールの様なものだったり…

でも名前は【BENTO…NINJYA…SAKURA…】など日本への愛を感じるものが多い。

 

ロッコ人にとっての和食はそんなイメージなのだろう。そんな彼らには私が持っていく昼食はときとしてとても奇妙なものに見えるよう。

 

お好み焼きを作っていったとき(隊員飯として名高いお好み焼き。だいたいどこの国でも作れる…)

これはパンか?と言われた。確かにモロッコからしたらパン系の食事に見えるだろう。具材内容に気を付けてとソース類をなしにすれば彼らも食べらえる。たまに試食してもらうが、意外とウケがよい。しかし、その日作って行ったお好み焼きは、先日日本人からもらったお好みソースをかけてしまっていた。みんな食べたいというが、「このソースは日本のもので中身の記載がないからムスリムのみんなには食べさせられない」と言う。みんな怖い思いはしたくないので食べないというが、

強者が一人「私はソースくらいなら何が入っていようが気にしないから、少しちょうだい」と言い、私のお好みソース(日本製たぶんダメだと思う)とマヨネーズ(モロッコ製なので大丈夫)付きの お好み焼きを一口あげた。ソースに豚エキスとかがはいってそうな気がしてならず、いくら本人が気にしないと言ってもやっぱり申しわけないので、ソースをなるべくそぎ落としてあげると「美味しいからもっとちょうだい」と更に3口分くらい食べ周りのみんなに「すごく美味しかったわよ。」と言って部屋を出ていった。みんなは彼女が堂々と豚入りかもしれない食べ物を食べたことに対してとても引いていたが、モロッコ人が食べても美味しいものをコーキーは食べてるんだ…ふ~ん、という顔をしていた。

 

こんなことを書きながら、お好みソースの原材料ってなんなんだろう。容器に記載されていなかったから日本にいるムスリムは大変だ…(もし日本語が読めたとしても大変なはず)

 お好みソースの原材料をインターネットで調べてみる。

 

野菜・果実(トマト、デーツ、たまねぎ、りんご、その他)、糖類(ぶどう糖果糖液糖、砂糖)、醸造アミノ酸液、食塩、酒精、醤油、香辛料、オイスターエキス、肉エキス、酵母エキス、昆布、蛋白加水分解物、しいたけ、増粘剤(加工でんぷん、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、(原材料の一部として小麦、大豆、鶏肉、豚肉、もも、りんごを含む)

 

驚愕の事実。

やはりムスリムにはお好みソースを食べさせられないやと落胆する間もなく、

なんとデーーーツ(ナツメヤシの実。アラビア語=ツマァ)が入っている!!!!

デーツが入っていることに私は大変驚いた。

ロッコに来て初めての夜にデーツに出会った。伝統的なスープを食べに行ったときスープのわきに添えられていたデーツ。モロッコではおやつのようにもデーツを食べるし、ラマダン中の日没後の朝食でもデーツ食べる。栄養がよく血糖値をあげてくれると言われている。私も大好きである。

前に職場で実習中の子が倒れたときに、みんなバタバタと…足を高くしたり、血圧計をもってきたり、血糖値を計ったり、衣服をゆるめたり、各々ケアをするが・・・あるスタッフは自分が持っていたデーツを彼女の口に入れようとしていた。(いや今食べさせたらむせる・・と思ったが、倒れた子も倒れながらもモグモグとデーツを噛んでいた・・私からしたら突っ込みどころしかないその場面は、デーツを食べさせた人の必死の姿も少し面白く、ここでデーツを食べさせるのはさすがモロッコ人やなと思った、そして食べていた倒れた子も。)

 

ロッコで大変お世話になっているデーツがなんとお好みソースに入っていた。

しかもお好みソースのサイトではデーツが使用されていることについて実に丁寧に説明されており、昭和50年からデーツを使っていることに対する愛のようなものさえも感じた。

知る・楽しむ-デーツ | オタフクソース株式会社

 

夜も寝られなくなりそうなくらい興奮する発見なのですが、ツマァとお好みソースの意外な関係にこんなに大興奮しているのは恐らく世界中で私だけでしょう…

 

続く。