عيد الأضحى 、Eid ul-Adha 羊犠牲祭
犠牲祭。
※※※ 下の方にややグロテスクなものがあります ※※※
イスラム教の行事であり、家族で集まり、生贄を捧げ、とさつし、家族みんなでそのお肉をいただくという行事。全てのムスリムが行うが、地域によって生贄の動物は異なるが、モロッコの私の住んでいる地域では羊がオーソドックスである。お金持ちはラクダを買ったり、お金のないものは鶏にしたり、他は馬だったり、ヤギだったりするそうだ。
前後一週間程度の期間は、みんな忙しそうにしている。あちこちの家から羊の鳴き声が聞こえ、バーベキューセットがお店で売られ、餌用のわらも売られており、お店も締まっていることが多い。都市部に出稼ぎしている人も、地方の田舎へ帰って過ごすそうだ。帰省混雑もあり、電車もとても混んでいた。
日本のお正月のような雰囲気だと教わった。確かに納得する。家族そろって、田舎へ帰り食事をする。そして、動物をとさつして解体するというイベントがある。
イスラム教のイベントは少なく、有名なラマダーンとそこまで日本人になじみのない羊犠牲祭の2つが主。
折角だから、どこかの家で羊を裁くところを見せてもらいたいなと思い、家を出る準備をして家の鍵を閉めている途中に、一人の男性が階段を上ってくる。「羊、まだ?やるところみたいんだけど?みられる?はじめてのイードなの!」というと、快諾してくれた。アッツィをごちそうになり、その家の4歳の男の子とスーパーマンVSスパイダーマンの戦闘ごっこをひたすらするという体力勝負も予想外なこともあったが、ヒツジさんがさばかれ、手際よくあっという間に解体され、バーベキューとなって出てくるところまでご一緒させていただいた。
男の子も、ヒツジにいい子いい子して頭をなでていた、とさつの現場も周りを走り回ったりしながらもその様子を見ていた。そして、さっきいた羊さんだと彼の中で一致していないだろうがヒツジさんのお肉をもぐもぐ食べていた。彼はどう感じているのだろう。
去年のイードを体験した日本人は、今年はこりごりだという人もいれば、イードのお肉は新鮮で美味しいから、家々を梯子しまくって、食べまくるという日本人まで様々。
私も、ジンギスカンはいまいちかなとおもっていたのだが、イードのお肉はとっても美味しい。私が美味しい美味しい言ってすごい勢いで食べるもんだから、その家族は、これも食べなこれも食べなと自分のくしを私のお皿に置いてくださった。モロッコ人は、とっても暖かい。
田舎ではとさつから解体まで全て家で行うことが多いそうだが、最近は解体業者を予約して、業者が回ってきたタイミングで、とさつするそう。
でも、家長が「ビスミッラー(神様に感謝して始める)」といいひつじさんをとさつするというのは、伝統のようだ。
たぶん、自分の仕事柄、多少グロテスクなものを見ることに慣れていることもあり、もともとなんでも食べものはすべて命をいただいていると認識して食事をしていることもあり、あんまり抵抗はなかった。でも、鳥をしめて買うのにも抵抗があるというこっちの日本人もいる。でも、その気持ちもわかる。
でも犠牲祭のあとから、いただきます「ビスミッラー」の言葉の重みも変わった気がする。
家のなかが血まみれになるのは大変なので屋上や庭を使うことが多いらしい。
この子、オスの羊さんでした。
業者さんに抱え込まれポジションを整えて今からビスミッラーで始まります。
首の太い動脈から十分に血を出し、息を引き取ってから、頭と毛の処置などをして、内臓などを取り出していきます。とてもスムーズでした。
既に町で売られているお肉の固まりと同様の状態まですんでいます。
初日は内臓を頂き、他の部位は、一日寝かして熟成させてからいただいたり、1週間前後、ヒツジのお肉を食べ続けるそう。
途中、日本人はどうやってご飯を食べるんだ?と聞かれ、お箸をつかうんだと伝えるとみんながお箸の練習をしてヒツジを食べていた。 モロッカンなかなか器用である。確かに、刺繍やらペンキ塗りなら、ものの修理やら、器用さを感じることは沢山ある。
とさつから、ランチのご馳走まで、感謝。
そして、食後も4才児との戦闘ごっこ、サッカー、風船落としちゃダメゲーム、おいかけっこ、「ゴーン、ドーン、シューン」と効果音付きの戦いは永遠。疲れすぎた。
どうりで、ランチの時にお腹すいていたんだ。子どもとひたすら遊んでたからだ‼
奥さんがお寿司好きよと言っていたから、今度作って持っていこう。
続く。