私の名は、こーきー。
モロッコ人の名前は、私が聞く限りで似ている名前や、同じ名前の人が多く、わかりづらい。
きっと、日本で言う、、、
安藤さん、佐藤さん、田中さんが沢山。
日本人の名前も聞き取りづらいよう。
母音が2音続く言葉は、アラビア語にはないのでどう発音したらいいのかわからないよう。
そのため大体のモロッカンは
「あなたは、こーきーなのね」といわれる。正確には違う。
ホームステイの家族にも、
やはり「こーきー」と呼ばれていた。
何度か言ったが発音できなかったから、彼らの発音を修正することを諦めていた。
それに「こーきー」と呼ばれることも気に入っていた。
お母さんが
「こーきー!ご飯よー!」
と台所から叫ぶ。
ホームステイ中のある日、アラビア語で自分の名前を書いて、
「私の名前が書けたよ!」
と、家族に見せると、お父さんがやや残念そうに
「君の名前、僕たちは間違って呼んでたんじゃないか、なんてこった!」
と言っていた。
名前が書けて嬉しくて見せてしまったが、少し悪いことをしてしまった。
私はこーきーと呼ばれるのが気に入っている。だから、これからもこーきーと呼んでほしいとお父さんにお願いする。
職場でもどうしても、私の名前は、こーきーになる。
モロッコでは、私の名前は「こーきー」。
また、平仮名でモロッカンの名前を書くととても喜んでくれる。仕事中に、私の名前を日本語で書いて!と、同僚に頼まれる。なんと、名前を書いた紙を写真とってくれたりもする。
●●は、日本語でなんと言うの?などのやりとり。
アラビア語の発音は難しく、うまく発音できず、恐らく私が言いたい言葉と発音した言葉が違っていて、、、
悪戦苦闘する私を見て大笑いしてくれる仕事終わりの助産師さんたち。
私もフルネームでアラビア語で書いてもらう。
お互い、自国の言葉は簡単だといい、
お互い、相手の言葉は難しいという。
相手を理解しようと歩み寄ること。
こんな些細なことでも出来るだけで、ここに来た意味はあったんだなと思う。
仕事するまでの道のりは遠いが、少しずつ。
まずはここで私を受け入れてもらい、ここで愛されること。
続く。